みなさんは「銀残し」という言葉をご存知でしょうか。
「銀残し」は現像処理の一つで、写真を渋めにすることで古い映画のようなノスタルジックさを感じる写真に仕上げることができます。
そこで銀残しとは何か、写真を銀残し風にするレタッチについて解説をしていきます。
銀残しとは
銀残しとはフィルムや印画紙での現像手法のことで、本来は取り除くべき銀をあえて省くことによって、フィルムや印画紙に銀を残す現像処理のこといいます。
英語ではブリーチバイパス(bleach bypass)とも呼ばれていたりします。デジタルカメラで撮った写真をレタッチするわけなので、厳密には銀残し風、ブリーチバイパス風の写真に仕上げると言った表現のほうが正しいですね。
銀残しの特徴はこのような低彩度、高コントラストのメリハリの効いた渋みのある雰囲気。
Lightroomをまだインストールしていない方へ
今回の方法はAdobe Lightroomを使うことを前提に解説しています。まだLightroomをインストールしていない方は↓のボタンからインストールが可能です。
Lightroomのインストールから始め方については以下の記事で解説しているので気になる方はご覧ください。
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銀残しのレタッチ解説
題材写真
今回の銀残しのレタッチに用いる写真はこちら。基本的な露出と色の補正は済ませている状態。
基本的な明るさ等の補正が済ませている状態ということもあり、基本的な補正は以下の記事を参考していただけるとありがたい。
銀残しレタッチの流れ
銀残しは以下のポイントを抑えておくと、簡単に実現することができる。
- 低彩度
- 高コントラスト
- エッジを効かせる
低彩度
自然な彩度と彩度をそれぞれ-20 ~ -30まで下げて低彩度な落ち着いた雰囲気にしていく。
左がBefore、右がAfter
高コントラスト
まずは黒レベルを-20 ~ -30まで下げることで全体的なトーンを下げる。
左がBefore、右がAfter
次にコントラスト+20前後まで上げることで写真にメリハリをつけてあげる。
左がBefore、右がAfter
エッジを効かせる
最後に明瞭度を+30くらいまで上げて、エッジを効かせる。
明瞭度を上げることで一気に銀残しの雰囲気に近づけることができるが、上げすぎはと写真がギラギラしすぎてしまうのでNG。
左がBefore、右がAfter
完成
レタッチ前後比較
左がBefore、右がAfter
比較すると差がわかりやすいですね。
同じ構図の写真でもメリハリの効いた雰囲気のある写真になっているかと思います。
今回はレタッチの基礎だけ知っていればできるような手順で解説したが、トーンカーブを用いてコントラストをコントロールすることでより雰囲気を出すことができるので、トーンカーブを扱える方は試していただければと思います。
銀残しを用いた作例
金属や道路に銀残しを用いることで質感がより鮮明に表現されるため、相性が良いと言える。
都会や商店街などのスナップ撮影でもかなり有効的なレタッチ。
風景写真に用いるとノスタルジックな雰囲気になる
Lightroomのプリセット配信開始
各SNSからプリセットの配信をしてほしいという意見をいただいていたので、この度はLIghtroomのプリセットを配信開始してみました。
プリセットをあてるだけで簡単に銀残しの世界を味わうことができます。
プリセットの詳細と購入は以下のページからご確認ください。
こんにちは。Nocchi(のっち)です。みなさんは「銀残し」、「ブリーチバイパス」という言葉をご存知でしょうか。 …
レタッチなしで銀残しを表現したい場合
レタッチをせずに銀残しを表現したい場合は、実はカメラ側の設定をいじることで銀残し風の写真を撮ることもできる。
PENTAXのカラーイメージに「銀残し」、FUJIFILMのフィルムシミュレーションに「ETERNA ブリーチバイパス」が搭載されているためわざわざスマホやPCに写真を写してレタッチをしなくても撮って出しで銀残しの雰囲気を表現することができるのだ。
FUJIFILMのETERNA ブリーチバイパスの撮って出しではこんな感じ。撮って出しでもかなり雰囲気のある写真を撮ることができるのがわかる。
レタッチをせずに銀残しの雰囲気を出したい方はFUJIFILMやPENTAXのカメラを導入することも一つの手段だ。
最後に
今回は銀残しについてと、そのレタッチ解説をしてみました。
手順自体はとても簡単なので、ちょっと写真に味を加えてみたい方や雰囲気のある写真にしてみたい方はチャレンジしてみてください。
僕がレタッチの勉強した本はこちら